2010年02月11日

二つの主張

主張A: 小沢氏が不起訴処分となるように検察上層部に圧力をかけた結果、小沢氏については不起訴になった
主張B: 小沢氏が不起訴処分となるように検察上層部に圧力をかけたという噂は、あれだけの捜査をしたが起訴に持ち込めなかった検察官が意図的に流しているデマゴギーだ。

現時点でこれらの主張は真実性という点で同等だ。いずれにも十分な動機付けがあり、実現性もありそうに見えるからだ。

主張Aについて、小沢氏は起訴された場合にマスコミのネガティブキャンペーンはさらにヒートアップし、ますます世論の批判を浴びることになる。この状況が継続すれば参院選は保たないかもしれない。とすれば、自身が不起訴となるよう検察に圧力をかける動機は十分にある。
小沢氏ほどの有力政治家であれば検察へのパイプもいくらでもあるだろうから、実現性もあるだろう。陰で指揮権を発動することさえできるかもしれない。
また、何人かの検察寄りのコメンテーターが「検察審査会で起訴相当が2回でれば強制的に起訴される」ということを言っている。圧力を受けた上層部の決定で起訴できなかったとすれば、検察審査会頼みのコメントとも符合する。

主張Bについてだが、事実として犯罪が存在していなかったり、捜査能力的な問題で起訴できなかったとしても、主張Aのような噂を真しやかに流すことは可能だ。リーク問題でほとんど明らかなように検察とマスメディアには太いパイプがあるからだ。
もし「陰の指揮権」が発動されたかのような体裁がとれれば、捜査を指揮したものの保身(責任逃れ)や検察の組織防衛にも役立つ。つまり、そのような噂を流布する動機は十分にある。

この二つの主張のどちらが正しいかを判断するためには、事実を積み重ねる必要があるが、事実を積み重ねる動機付けはどちら側の主張にもないため、この問題は解決しないだろう。
posted by naotok at 01:50| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月08日

検察リークはあるのかないのか

今日のサンプロで大谷さんが怒ってた。
「押収されたパソコンから文書作成日が当初の小沢氏の説明と食い違うことが判明した」とする報道について、「押収されたパソコンは検察の管理下にあり、裏の取り様がない。こんなものを報道するから劣化したと言うんだ」と憤ってた。
大谷さんの発言はなかなか味わい深く、以下の内容を示唆する。

1. 普段から検察のリークはある。
2. でも、リークされた情報については裏を取ってから記事にしている。
3. 検察の管理下にあるパソコンに関する情報は検察以外の情報源はありえない。
4. 「パソコン」に関する報道は裏を取らずにリーク情報がそのまま記事になったと考えるしかない。
5. リーク情報をそのまま記事にするなんて恥知らずだ。

5のところで大谷さんは怒っていたのですが、1のところで十分に問題です。リーク元は国家公務員法に違反して捜査情報を漏洩しているわけですから。
たぶん、大谷さんはマスコミに対して怒ってるから1のところはスルーしたんでしょう。1の時点ではリーク情報を受ける側のマスコミには何の問題もないので。
でも、(繰り返しですが)1の時点で検察側の大問題です。
(法務大臣、ちゃんと監督・指導しろよ。誰だっけ、今の法務大臣)

検察のリークについて興味深い記事をもうひとつ紹介しておきます。

「特捜検察」幻想の終焉
http://opinion.infoseek.co.jp/article/752

これを読むと「捜査情報のリークなんてありえない」という大マスコミの弁明を真に受けている人のなんとおめでたいことかが分かります。
例えばこの人↓とかね。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51350777.html

余談だけど、今回の騒動でいろんな報道や記事を見る中で、宗像弁護士と池田先生の詭弁の技巧についてはかなり興味深いものがあった。特に宗像弁護士はサンプロで郷原先生と対峙しているときと別人格があるようで、その切り替えの技巧や動機など非常に興味深いと思う。
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/b26c4ccac9a1d67d509cf9fffbcee3c4
http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/6a91d9332db74929d9ce2ec697283f62
posted by naotok at 00:41| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月06日

乗数効果というたわごと

(本記事は某ブログにコメントした内容を若干修正したものです)

乗数効果は学生時代からの疑問でした。
財政支出Gに対して、GDP押し上げ効果がr×Gになるときのrが乗数効果と呼ばれるものです。
ケインズのモデルでは、消費性向(収入に占める支出の割合で、残りは貯蓄となる)をcとして、財政支出に対する乗数効果rは以下の式で求められるといいます。
1+1×c+1×c^2+1×c^3+…… = 1/(1-c)

これに対して減税や子供手当てのような直接に所得を増やす政策の場合の効果は最初の項がcになる(還付された税のc倍が最初の消費に回されるから)なります。このため、この場合の乗数効果rは以下の式になります。
c+c×c+c×c^2+c×c^3+…… = c/(1-c)

ここまではマクロ経済の教科書に載っているごく初歩的な内容です。
このように無限級数になっているのですが、財政支出からGDP算出基準となる期末までにそんなに何回もお金は回らないのではないかというのが私の疑問です。

無限級数ということは、
生産→所得→消費→生産→所得→消費→生産→……
の無限の連鎖を前提としていて、当然ながらこれには無限の時間がかかります。
現実には財政支出が所得に影響を出せるのなんてせいぜい半年後のボーナス時です。だから、2回も回ればいい方ではないかと思います。

逆に無限の連鎖を考えるときは消費性向を一定と見なすのは不適当です。貯蓄した分はいずれ吐き出されます。

コメント先で紹介していただいた記事(http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20100127/212422/?top)を見ると、どうやら実際に取り沙汰される数字はモデルで計算されたもののようです。
これは当然で、「押し上げ効果」を直接求めるためには、本来はベースラインと結果をそれぞれ計測して引き算しないといけません。結果であるGDPの値は一つであり、ベースライン部分や他の減税などの効果から財政支出の効果だけを分離するのは不可能です。

そこで、現実に対していろいろなモデルを立てて計算することで、乗数効果はいくつだったかを推定するわけです。間違っても「測定」じゃありません。
しかし、このモデルというのは温暖化問題でもよく俎上に上がるように、考え方やパラメータの与え方で結果が大きく変わってしまいます。

つまり、国会で取り上げられた乗数効果の値は、ある研究者が「僕はあれとこれとそれを加味してこのくらいだと思います」と言っている程度のものに過ぎないということになります。
そのモデルで算出された値で話をしているのに、「乗数効果と消費性向の関係は?」などと言い出すのは数字の背景を理解していないたわごとといえます。

クラウディングアウトなどの効果はとりあえず置いておくとして、乗数効果の考え方で重要なのは、最初に消費性向が影響するかどうかです。この点で減税は財政支出に及ばないのは確実です。

ただ、だからと言って減税より財政支出が優位な政策であるとは全く思っていません。
財政支出となれば支出先の選定には政治家や官僚の恣意性が含まれ、利権が発生します。利権が既得権益化して歪みながら膨れ上がって身動きが取れなくなったのが今の状況ではないでしょうか。
経済成長が飽和しつつある現在、子供手当てやベーシックインカムのような直接再分配することで経済の歪みを回避しつつ、勤労へのインセンティブを損わないような政策の方が優位であると考えます。
posted by naotok at 11:16| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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