2010年04月30日

検察審査会が不起訴処分のよしあしを審査していない件

陸山会の事件に関連して東京地検は民主党の小沢幹事長を不起訴処分とした件で、検察審査会が起訴相当と議決したことが話題となっている。

最初に自分の立場を明らかにしておく。
前回の参院選以来民主党に票を投じ続けているし、次の参院選でも民主党に票を投じると思う。小沢氏については高く評価しているし好感も持っている。
今回の検察審査会の議決で起訴相当はあり得ると思っていたし、裁判を行うのは有意義だと考えている。推定無罪の原則をマスメディアおよび国民が尊重するならば、という条件がつくが。

ここで論じたいのは起訴相当が妥当かどうかではなく、検察審査会の職務の評価だ。
今回初めて検察審査会の議決書を読んだし、他の案件の議決書を読んだこともないのだが、検察審査会の議決書には検察が行った不起訴処分の当否について直接的に評価する文言がないのは不当だと考える。

裁判所ホームページによると「選挙権を有する国民の中からくじで選ばれた11人の検察審査員が,検察官が被疑者(犯罪の嫌疑を受けている者)を裁判にかけなかったこと(不起訴処分)のよしあしを審査するのを主な仕事とするところです。」と書かれている。
つまり「検察官が行った不起訴処分の当否を評価すること」が主な仕事なのだ。事件そのものや被疑者の評価は副次的なものと言える。

検察審査会とは(裁判所ホームページより)
http://www.courts.go.jp/kensin/seido/sinsakai.html

今回の検察審査会の議決書は以下のページなどにある。

小沢氏起訴相当の議決書全文(政治とカネ212)(弁護士阪口徳雄の自由発言)
http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/61495980.html

【小沢氏「起訴相当」】東京第5検察審査会の議決要旨(産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100427/crm1004272303048-n1.htm

これらを読んでみると、証拠の評価や違反の成立についての論旨が述べられているのみで、「不起訴処分の当否」について述べている部分は冒頭の「議決の趣旨」だけだということが分かる。これではなぜ検察が行った処分と検察審査会の結論が反対になったのかが分からない。

検察とどの部分で証拠の評価が食い違ったのか、もしくは刑事責任の重大性の評価がどこで食い違ったのかを明らかにしないと検察が行った処分を審査したことにはならないし、検察の改善にも繋がらない。
検察審査会は処分を行った検察官から処分の理由を聞いているはずであるので、判断の違いの原因は明白になっているはずだ。

根拠はないが、起訴相当の議決を望んだ検察官が法律論から感情論へと議論を誘導し、検察への批判が高まらないような議決をさせたのではないかと邪推する。
そもそも、検察が下した処分が、11人の市民で構成される検察審査会の満場一致で否定されたのであるから、検察にとっては大問題なはずなのだ。これについて、処分責任者の責任を問う論調が見られないのはどういうことなのだろうか。
posted by naotok at 01:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月07日

量刑の問題

以前に死刑の議論をしたときに量刑の問題は難しいといって意図的に避けた。今でも感覚は変わらない。
中国で日本人が死刑になり、立て続けに4人の日本人の死刑が執行されるという。いま話題の中心に上がっているのは、薬物犯罪で死刑を執行される死刑囚についてだ。他の人がどういう犯罪で死刑になるのかは知らない。

率直に言って薬物犯罪の最高刑が死刑であるのは重すぎるように感じている。これは、殺人もしくは国家叛逆行為が伴わないと死刑が適用されない国で育ったから、自分の国の制度を基準にしてしまっているからだと思う。
確かに薬物犯罪は重要だ。特に流通部分に関わった場合の社会的影響は大きい。反社会組織の資金源となることで彼らの活動をサポートすることになるし、薬物により人生を狂わせてしまう人(自分から狂わせる人もいれば、搦め手で狂わされる人もいる)も多数生むことになるだろう。

だから尺度によっては殺意を持って人を殺した罪よりも反社会的という主張も成立するとは思う。
とはいえ、薬物犯罪の最高刑を死刑とする中国、インドネシア、シンガポール、スリランカ、タイ、バングラディッシュ、マレーシアの制度が正しいとも思わない。
やっぱり量刑の議論は難しい。結局、順序付けすら感覚の問題で、更に線引きに至ってはどうにも議論のしようがないと思う。

(中国における日本人の死刑執行については量刑の妥当性以外にも多数議論すべき点はあるけど、ここでは取り扱わない)
posted by naotok at 22:42| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月05日

温暖化と温室効果

今日発売の週刊ダイヤモンドに「赤祖父俊一」という人の「IPCC報告書にデータ操作あり/政治で歪められた地球温暖化説」という寄稿記事があった。要はこのブログでも以前に取り上げたクライメートゲート事件などを取り上げて、炭酸ガスによる地球温暖化説に疑念を投げかける主旨の記事だ。
この記事の主旨は読めば大体分かるのだけれども、困ったことに主張がはっきりしない。「政治利用された疑いが濃厚だ」と言われても、「そうですか。僕はそう思わない」としかいいようがない。

あと、「じつは温暖化の95%は水蒸気による」という文章があり、実はここが非常に気になる。水蒸気が重要なのは確かだが、ここは「温暖化」ではなく「温室効果」と書かなければ意味が通じない。地球物理学の専門家が書き間違えるような言葉じゃない。こんな文章を読んだ一般の方は混乱してIPCCへの不信感を強めるだろう。不信感を煽るために意図的にこのような書き方をしたのではないだろうか。
また、IPCCのモデルの不完全さを繰り返し強調しているが、モデルが不完全なのは当たり前だ。分かっている範囲、また計算可能な範囲でモデルを構築して予測するもので、これはシミュレーションに限った話じゃなく科学の方法論そのものだ。

最も気になるのは温暖化懐疑論に対して社会もしくはメディアが寛容な割りに、温暖化懐疑論への懐疑論を見る頻度が少ないことだ。
懐疑論の科学的なレベルが低すぎていちいち反論してられない面もあるのだろうが、懐疑論に対してIPCC側の論者がいろんなところで丁寧に反論するのは重要だと思う。
posted by naotok at 02:18| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 政治話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。